「第6回 DMマーケティングプロフェッショナル研修会」(主催:(一社)日本ダイレクトメール協会 日時:2020年7月16日(木)・17日(金)10:00~17:00)をオンラインで受講しました。
DMコンサルティング力が身につく資格認定講座で受講後試験に合格すると「DMマーケティングプロフェッショナル」資格が得られます。
単に顧客名簿にDMを送る、にとどまらず、デジタル・アナログを含めたダイレクトマーケティングのトレンドやメディアの特徴等のとらえ方、実践例を学びました。また、コンサルタントとして求められる要件や顧客とのかかわり方も教えていただきました。
講師は2日間で延べ7名、大手通販会社のEC責任者や広告代理店、DM会社、個人の経営コンサルタントなど幅広い分野の方々でした。
新型コロナウイルス感染症の影響で地方の中小企業でも特に顧客との接点の見直し(デジタルシフト・オムニチャネル化)が迫られている中で、DMコンサルティングについて学べたことはとても有意義でした。私が主に気づいた点は以下の通りです。
・ビジネスの価値は約10年ごとに変遷しており、これから先の10年は「社会的意義と経済活動の両立(=役に立つではなく意味がある)」になる
・ダイレクトマーケティングとは、デジタル・アナログを問わず複数のメディアを通して個に直接アプローチしてレスポンスを獲得し、新規顧客からリピート客に引き上げ、顧客ロイヤルティを獲得してLTV(顧客生涯価値)を最大化するよう長い関係を構築すること。その判断基準はデータでコミュニケーションの最適化にテクノロジーを活用する。特にwithコロナ時代は「離れてもつながり続ける」「ロイヤルティを高める」が重要
・DM市場は現在、約1兆円で活性化している
・カスタマージャーニーマップとは、お客様が商品・サービスを認知し、購入・利用から評価するまでの一連の流れの行動や思考を見える化する手法
・EメールのDM開封率が減り、相対的に紙DMの開封率が評価されている。「紙DM+EメールDM」が一番レスポンスが高い調査結果
・オムニチャネルとは複数のチャネルを(それぞれの)顧客に合わせて使い分けるのではなく、(一人の)顧客を中心にすべてのチャネルを連携させること。同じ顧客がある時はEC、ある時は店舗で購入
・ピンチ(前年同月比ができない)の時ほど、PDCAサイクルのP(計画)が大切(Pがないとどこに向かって実行していいか分からない)
・LTV(顧客生涯価値)は優良顧客の情報拡散・友達紹介までを含む
・オウンドメディア(自社所有メディア)は、①商品同梱、②DM・カタログ・会報誌、③Eメール、④電話、⑤自社サイト、⑥店舗・店頭接客
・大手通販会社EC責任者の言葉「ECで全ては完結しない。アナログが持つ顧客価値をテクノロジーの力で再定義し新しい顧客価値を創造する」
・WEBは顕在ニースを獲得する(検索)するのは得意だが、潜在ニーズの掘り起しは紙のほうが得意
・消費行動は「Attention」が飽和し「Discovery」(自分で発見)へ
・LTV(顧客生涯価値)を高めるためには「店頭&EC」つまりOMO(オンラインとオフラインの融合)が有効
・ロイヤルティの高い顧客層ではEメールDMより紙DMのほうが「特別感」「企業側の好意」「企業側の気遣い」が伝わる。特に「感謝」は紙DM
・デジタルネイティブ(若年層)は紙DMが有効(温かみが伝わる)
・コロナ禍の「安近短」は「安全・近い・短い」
・DMコンサルタントは全体最適を目指し、仮説を立てつつ、現状を客観化・体系化し、あるべき姿を数値でも描き、利益から優先順位をつけなければならない
・主な顧客分析(スコアリング分析)はデシル分析(顧客を金額の高い順に上から並べ人数で10等分する)とRF分析(最新購買日と購買頻度)
・統計的知識として平均値だけでなく中央値・最頻値・標準偏差も踏まえる
・コトラー教授の「5a」は「AWARE(認識する・知る)」「APPEAL(訴求で記憶や印象に残る)」「ASK(調べる)」「ACT(購入する)」「ADVOCATE(周りに勧める)」でWOW(驚いたり感動)な体験を提供し共感スパイラルを広げる
・ブランドミッションへの共感はシンプルなほど広まる。シンプルとは人間の普遍的な欲求がヒント
・CRM戦略の実践ポイントは「①顧客の実数を知る(現状把握)」「②優良顧客を知ること(定義する、顧客ステージの明確化)」「③顧客動向に基づいて目標設定する」「④顧客ステージに合わせ施策を実施」「⑤顧客とのコミュニケーションを維持すること」「⑥成功も失敗も必ず効果検証する」
・効果測定にはROI(リターン・オン・インベストメント)とCPO(コスト・パー・オーダー)。ROIは利益÷全投資(原価+販促費)、CPOは販促費÷レスポンス人数
DMMP2020_panf.pdf